作詞

マカロニえんぴつ「なんでもないよ、」に学ぶ歌詞の”表記”のこだわり方

2021年リリース、マカロニえんぴつ「なんでもないよ、」。タイトルの最後に「、」がついているのが印象的ですね。モーニング娘。の「。」や藤岡弘、の「、」、Koki,の「,」など、アーティスト名や芸名に句読点や記号がついていることもあります。このように、句読点や記号は、おしゃれさや独特な印象を受けます。今回は、歌詞の”表記”にこだわる際のポイントについて解説します。

歌詞は耳で聴くもの

以前。記事「「あなた」と書く?「貴女」と書く?歌詞での表記に悩んだら意識するべきこと」でも歌詞の表記方法について書きました。

 歌詞は基本的に「見る」ものではなく「聞く」ものです。そのため、「どう見えるか」よりも「どう聞こえるか」を意識するのが大前提です。そのため、基本的に「同じように聞こえる言葉」であれば、表記にそこまでこだわらなくても良いのですが、句読点や空白などは、少し注意が必要です。

句読点や空白はできるだけ歌いやすい位置に

たとえば、歌を聴かず、歌詞だけを眺めているとイメージしてみましょう句読点や空白がある箇所は、息継ぎをする場所のように思えませんか?

歌詞における句読点や空白は、「聞こえてくる言葉」としてはあってもなくても同じ聴こえになりますが、「見る文字」としては、メロディーを想像させる役割を持ちます。

そのため、できるだけ歌いやすさを考えて入れると良いでしょう。

マカロニえんぴつ はっとりさんの歌詞に対する想い

マカロニえんぴつ「なんでもないよ、」は、歌詞の中でも

「何でもないよ」なんでもないよ、

と、同じ聴こえ方でも表記を変えている部分が見受けられます。

マカロニえんぴつは『ことばの種』という歌詞集を発売しており、その際のインタビューで作詞のはっとりさんは「ぼくは常々「歌詞だけ読んでも成立するもの」を目指して書いてきた」と語っています。(参照:「マカロニえんぴつ」が初の歌詞集を発売。「いい歌詞って、恥ずかしい歌詞だ」ボーカル・はっとりの作詞の裏側インタビュー

句読点や表記のこだわりも、このあたりからきているのかもしれませんね。

まとめ

歌詞の中で句読点はどうすればよいかと質問を受けることがあります。「、」が多すぎてはいけないのか、「。」は入れなくてよいのか。悩み出したらキリがないかもしれませんね。表記にこだわるのも良いですが、あくまで歌は聞くもの。耳で聴いたときに意味がわからない、ということのないようにしましょう。マカロニえんぴつの歌詞のように、耳で聴いて意味が分かり、目で見るとさらにその世界が広がるのが理想的な「歌詞における言葉のこだわり方」なのです。

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