作詞

詞先と曲先、近年多いのは?歌の作られ方を知ろう

皆さんは、歌がどんな順番で作られるか知っていますか?歌の作られ方には大きく「詞先(しせん)」と「曲先(きょくせん)」があります。「詞先」「曲先」の意味と、最近多く用いられている方法について見ていきましょう。 

「詞先」は詞が先に作られ、「曲先」は曲が先に作られる

歌詞が先にあり、そこにメロディーをつける方法を「詞先」と呼びます。それに対して、メロディーが先にあってそこに歌詞をつける方法を「曲先」と呼びます(『作詞入門 〜実例で学ぶポイントとコツ』20ページ)。演歌や歌謡曲の歌詞は詞先で作られたものが多かったと言われています。それに対して、最近の楽曲のほとんどは曲先で作られています。

「詞先」が減っている現状に作詞家が思うこと

2021年8月1日放送のテレビ朝日系音楽番組『関ジャム 完全燃SHOW』の中で、作詞家のいしわたり淳治さんは「詞先はものすごく減っている」と明かしています。いしわたり淳治さんが受けるお仕事の中で9割5分ぐらいが曲先での依頼だそう。

作詞家の松本隆さんも、「人類の歴史的観点から考えると、まず思いがあり、思いに続く言葉があり、そこにメロディを乗せることで日本独自のポップスが生まれた」としたうえで「外国の真似をしてサウンドを重視し、後から詞をつけるという手順では、日本独自の音楽にはならないのではないか」と警鐘を鳴らしました。音楽プロデューサーの武部聡志さんも、日本独自のポップスを作っていくことが必要だと、松本隆さんの意見に賛同する場面が見られました。

今後、「詞先」は減り続けていくのか?

私が作詞活動をしている中でも、実際に、すでに曲が決まっている状態で歌詞コンペが行われることがほとんどです。ただ、歌詞が決まっていて曲を募集する楽曲コンペも時々見られるようになりました。最近は歌詞の大切さに焦点が当たる機会も増えてきたように感じます。TBSで不定期に放送されている『この歌詞が刺さった!グッとフレーズ』など歌詞にフォーカスした番組も登場し、今後は、ある程度歌詞を重視した、詞先で歌を作ることも増えていくのではないかと思っています。

まとめ

いしわたり淳治さんは、先ほどの番組の中で「詞先のものと曲先のものは出来上がりの質感が違うとも仰っています。詞先と曲先にはそれぞれの特徴があります。詞先が必ずしも良い、というわけではありません。シンガーソングライターなどは、詞と曲が同時に思いつく、という方もいらっしゃいます。歌を作るときに、ただ流行に流されて「曲先が当たり前」と考えるのではなく、様々な歌の作り方を試してみることが大切です。どの曲も同じように作られた似たような曲ばかりではなく、いろいろな作られ方をした、新しい発見のある面白い曲が世の中にあふれるといいなと思います。

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