作詞

「大事なことなので二回言いました」。反復法を使いこなそう

反復法とはどんなもの?

歌詞によく出てくる「反復法」という技法を知っていますか?「反復法」は歌詞だけでなく、ライターや小説家、新聞記者などもよく使っています。「反復法」とは、「同じ言葉、または似た言葉を繰り返した表現」のことで、「繰り返し」や「リフレイン」などとも呼ばれています。日常生活でも、「ねえ、ねえ」「なんで、なんで」「嫌だ、嫌だ」など、無意識に使っているのではないでしょうか。
歌詞で反復法を使っている例と、その効果について見ていきましょう。

歌詞で反復法を使う効果

1.伝えたいことを強調できる

「大事なことなので二回言いました」なんてセリフを聞くことがあるように、反復法を使うと「言いたいことを強調できる」という効果があります。
たとえば、「もっと上に行きたい」より「もっともっと上に行きたい」の方が、「上に行きたい」気持ちが伝わりやすくなります。このように、同じ言葉を繰り返すことで強調したい部分を相手に伝えることができるのです。

2.リズムが整う

「反復法」を使うことで、文章に一定のリズムを作り出すことができます。
たとえば、「たくさん食べて学んで遊ぶ」だと、なんとなくリズムが悪い文章になりますが、「たくさん食べて、たくさん学び、たくさん遊ぶ」とすることでリズム感が生まれます。

反復法を使った歌詞の例

反復法を使った歌詞の例には以下のようなものがあります。
どれも、気持ちを強調しつつ、リズム感を生んでいるのがわかるかと思います。

・声も顔も不器用なとこも 全部全部嫌いじゃないの(優里/ドライフラワー
・好きで、好きで、好きで。(倖田來未/好きで、好きで、好きで。
・会いたくて会いたくて震える(西野カナ/会いたくて 会いたくて

反復法を使う箇所はリズムから汲み取る

反復法を使うことで文章にリズムを作り出すことが出来ますが、作詞の場合は先にメロディーがあることが多いため、「繰り返しのリズムがある箇所」をメロディーから探し出し、そこに反復法を使うことが基本です。文章の持つリズムとメロディーのリズムが合っていないと、効果的に強調させることはできません。
先にあげた例も、曲を聞くと、すべて文章のリズムとメロディーが合致してインパクトを生んでいるのがわかります。

何度でも繰り返せば良いわけではない

2回繰り返すよりも3回繰り返した方が、さらに強調することが出来ます。
「もっともっと上に行きたい」よりも「もっともっともっと上に行きたい」の方が強い気持ちが表れます。しかし、たくさん繰り返せばよいというものでもありません。歌詞の中では多くても3回が目安です。
教科書の大切なところに蛍光ペンを引くときに、あれもこれも蛍光ペンを引いてしまうと、どこが重要なのかわからなくなってしまいます。同じように、「反復法」を使いすぎると、強調したい部分を効果的に強調できなくなり、結果として印象に残らないということもあります。歌詞の中で「反復法」を使うときは、本当に強調したい部分だけに使うようにしましょう。

まとめ

反復法を使うことで、伝えたいことを強調できるだけでなく、リズム感を生み出すことが出来ます。歌詞を書くのは文章を書くのとは違い、メロディーと合った言葉を選ぶことが大前提です。歌詞の中で反復法を使うときは、メロディーをしっかり聞いて、反復法を使うべき箇所を見極めて使うことが大切です。

 

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