比喩は歌詞のスパイス
オトマナビ講師の昆真由美です。
あなたは比喩表現をよく使いますか?そう聞かれてもピンと来ないかもしれませんが、比喩表現はとても身近なものです。「ああ、今日は蒸し風呂みたいに暑いなあ~!」なんて言ったりしますよね。これは直喩といって、比喩表現のひとつ。は日常生活の中でもよく使われます。今回は、歌詞の中での比喩表現について考えていきましょう。
直喩と隠喩
比喩とは、ある事象をわかりやすく説明するために、似ているものにたとえることをいいます。比喩には直喩と隠喩の2種類があります。
・直喩
「ようだ」「まるで」などのたとえを表す言葉が使われていて、比喩であることがはっきりとわかる表現を「直喩」または「明喩」といいます。「彼女は太陽のように眩しい」「まるで真夜中のように暗い」などが直喩です。英語ではsimile(シマリー)といいます。
直喩が使われている歌詞のタイトルには以下のようなものがあります。
・白い雲のように(猿岩石)
・輝く月のように(Superfly)
「ようだ」「まるで」のほかに、「あたかも」「さながら」「ような」「ごとく」「みたいな」などを使う場合も直喩表現になります。
・隠喩
直喩に対して、「ようだ」「まるで」などの言葉を使わず、比喩であることがはっきりとはわからない表現を「隠喩」または「暗喩」といいます。英語ではmetaphor(メタファー)と言います。白い肌を「雪の肌」と言うなど。
隠喩が使われている歌詞、歌詞タイトルには以下のようなものがあります。
・君は太陽(スピッツ)
・あなたは煙草 私はシャボン(ラブリーサマーちゃん)
直喩が印象的な2021年のヒット曲
2021年のヒット曲で直喩が印象的な2曲があります。
・優里「ドライフラワー」
サビの歌詞で「ドライフラワーみたい 君との日々もきっときっときっときっと 色褪せる」と直喩が使われています。
・川崎鷹也「魔法の絨毯」
こちらもサビの歌詞で「アラジンのように魔法の絨毯に乗って 迎えに行くよ、魔法は使えないけど」と直喩が使われています。
このように、比喩表現を使うことで曲のイメージが沸きやすく、印象に残るフレーズになっています。この2曲のように、サビやタイトルでわかりやすく比喩表現が使われている歌もたくさんありますが、そうではなく、Bメロなどあまり目立たない箇所に比喩表現が使われていたり、1曲の中で多数の比喩表現が登場したりということも少なくありません。心が動いたことを他の誰かに伝えたいとき、より理解してもらえるように「たとえ」の表現を使うことが多いと思います。「気持ちを訴える」ために歌があるとすれば、歌詞と比喩表現は切っても切り離せない関係とも言えるでしょう。
歌詞に物足りなさを感じたら比喩を取り入れてみよう!
歌詞の中で比喩を使うと、ありきたりな表現から脱却できるとともに、聞いた人の印象に残りやすいというメリットがあります。また、比喩表現には歌の主人公ならではの視点が生まれるので、オリジナリティに溢れた作品を目指せます。
ご自身の書いた歌詞で物足りなさを感じたら、ぜひ比喩表現を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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