音楽理論

「合いの手」はそんなに難しくない

オトマナビ講師の侘美(タクミ)です。
アレンジ・作曲ネタで、メインのメロディに対する「合いの手」について質問いただきました。

歌モノなら、サビのところで、コーラスやストリング、ブラス、シンセベルなどでこの「合いの手」や「合いの手を含む、カウンターライン(対旋律)」を演奏させることで盛り上がるのですが、なかなか入れられないという方も多いでしょうか。

大きく捉えると、音楽的には「オブリガート」といいますね。
つまり「助奏」です。メインのメロを補完する旋律やフレーズのことです。

ここでは、もっとわかりやすく2つのパターンを考えてみましょう

1)メインのメロディと同時に奏でられる「裏メロ」つまり「対旋律」

2)メインのメロディのちょっとした隙間に奏でられる「合いの手」

もちろん、対旋律には「合いの手」の要素が含まれるのが常套です。
裏メロは、音程やコードを意識しないといけないので、ちょっとだけむずかしいです。

でも「合いの手」だけであれば、メロディが伸びてたり、休みだったりの部分で2つのフレーズが同時に重ならないので、そんなにむずかしく考えなくてもよいかもしれません。

実際には、いろんなパターンがあるのですが、ここでは、ひとつだけ「メインのメロディをまねて、追っかける」という実例を紹介します。

これは、わたしが実際にコンサート用のオーケストラアレンジを手掛けた「海の声」のサビを使って、説明します。
ここではオリジナルの音源にはない、カウンターメロディを付け加えています。

上の段にメロディーと、下の段にオブリガートです。
楽譜は読めなくても、なんとなく動きがわかればいいです。

わかりやすく、このラインだけ取り出して演奏してみると、このようになります。


サビからのアウフタクト(ピックアップ)を含む、最初の2小節は、木管楽器(フルート、オーボエ、クラリネット)で「カウンターメロディ」つまり「合いの手」を演奏している例です。
さきほどの、おおよそ2)のパターンです。

ポイント

【ポイント1】 メロディの最初の「うみの、こえよ♪」のフレーズを、追っかけています。ここでは、ただ追っかけるのではなく、ちょっとだけ3連符のリズムに装飾をしています。

 

【ポイント2】 「16分と付点8分」の歌詞の「たい、よう♪」のリズムが特徴なので、これもカウンターメロの一部として、メインメロよりも、先にまねています。

 

ちなみに、後半の2小節は「ホルン」による「カウンターメロディ」です。これは、どちらかというと1)のパターンで、徐々に上昇して盛り上げる感じを意識しています。
さらに音域も区別していて、前半2小節は歌よりも高い音域で、後半2小節は、歌よりも低い音域と、歌を邪魔をしない高さで演奏しています。

では、実際のコンサート音源で確認してみてください。

このようなアイディアも、オリジナルでどんどん、まねて追っかけていきましょう。

そして、たまには人に聴いてもらってアドヴァイスをもらいましょう!