作詞

名曲「上を向いて歩こう」の海外タイトルは「SUKIYAKI」。いったいなぜ?

日本の音楽史における不朽の名曲、坂本九の「上を向いて歩こう」。「上を向いて歩こう」は日本国内だけでなく、海外でも広く知られています。海外では「上を向いて歩こう」ではなく「SUKIYAKI」というタイトルで親しまれていることを知っていますか?今回は、その背景と理由について詳しく解説します。

坂本九と「上を向いて歩こう」

1961年リリースの「上を向いて歩こう」は、坂本九の代表曲です。作詞は永六輔、作曲は中村八大が手がけ、昭和の時代に多くの人々の心に響く楽曲として愛されました。「上を向いて歩こう」は日本国内で大ヒットを記録し、その後、海外でも注目されるようになりました。特にアメリカでは、そのメロディーと坂本九の独特の歌声が評価され、チャートでも上位にランクインしました。

1962年、東芝音楽工業(現・ユニバーサル)が日本の音楽を海外に売り込むビジネスを始めた際に、「上を向いて歩こう」を海外向けに売り出す動きがありました。英国ではケニー・ボール&ヒズ・ジャズメンが器楽曲にアレンジし、「SUKIYAKI」というタイトルで発売したところ、全英10位に食い込んだそうです。さらに米国ではラジオを発端に人気を博し、1963年に英国同様「SUKIYAKI」のタイトルで発売。瞬く間に全米チャートを駆け上がり、ビルボード誌のシングル・チャートで「SUKIYAKI」として6月15日から3週連続で1位に輝きました。

(参照:https://www.yomiuri.co.jp/culture/music/20230721-OYT8T50044/

(参照:https://www.universal-music.co.jp/sakamoto-kyu/news/2023-03-17/

 「SUKIYAKI」というタイトルの由来

「上を向いて歩こう」がなぜ「SUKIYAKI」というタイトルで知られるようになったのかの理由については諸説ありますが、こちらのブログ記事によると「ケニー・ボール楽団というイギリスのディキシーランド・ジャズのバンドが、この曲を最初に録音したとき”uewomuite-arukoh”という題がみんなどうしても覚えられなくて、スタジオで誰かが「面倒だから『スキヤキ』って呼ぼうや」と言い出して、それがそのままレコードのタイトルになってしまった」そうです。

(参照:https://huyukiitoichi.hatenadiary.jp/entry/20110808/1312809281

また、Wikipediaによると

ケニー・ボールの所属したイギリスのパイ・レコードの社長ルイス・ベンジャミンが契約の話で来日した際、「上を向いて歩こう」を大変気に入ったが、原題の「UE O MUITE ARUKOU(上を向いて歩こう)」というタイトルがわからなかったため、『日本で契約の際に会食した「スキヤキ」が心に残る食べ物だった』という理由で、日本料理の名前を付けた

とあります。

いずれにせよ、日本では違和感のないタイトルが、海外マーケットになると「覚えられない」「わかりにくい」タイトルであったため、変更されたということでしょう。

リスナーが変われば歌が変わる

「上を向いて歩こう」というタイトルが「SUKIYAKI」に変わったように、リスナーが変わればタイトルや歌詞も変わる可能性があります。歌はリスナーがいて初めて成り立つもの。作った歌が、どこで、誰に聴かれるかを意識することが大切です。

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