作詞

最近オリジナルが少なくなった?ドラマタイアップ曲の醍醐味

オトマナビ講師の昆真由美です。
私はテレビドラマが好きで、毎クール平均約6本(第一話に関しては平均9本以上)を見ています。テレビドラマの多くにはタイアップ曲がついていて、その歌詞に注目するのも楽しみのひとつ。しかし、最近この「ドラマタイアップ曲」、すでにどこかで聴いたことがある「既聴感」があるものが多くなっている印象。もはやタイアップ曲がないドラマもちらほら見かけます。今回はドラマタイアップ曲について見ていきましょう。

ドラマタイアップ曲には「結末のヒント」が隠されていることがある

ドラマに限らず、映画やアニメなどのタイアップ楽曲は、映像作品に近い世界観を持つ歌詞を求められることが多々あります。。また、楽曲をドラマの作品内で効果的に使いたいという場合、歌い出しをサビにして(頭サビ)、ドラマ作品と楽曲の相乗効果を狙うこともあります。

ドラマのタイアップ曲は、基本的にドラマの放送開始前に制作され、作詞家に作品の内容が共有されていることも。あらすじや、脚本の第一話のみが共有されることもあれば、どのような結末になるのかまで共有されることもあります。そのためか、ドラマタイアップ曲をよく聴くと、作品の結末へのヒントが隠されていることがよくあるように感じます。たとえばドラマ『私が恋愛できない理由』の主題歌、安室奈美恵さん『Love Story』。最終回を終えて曲をあらためて聴いた時に「タイアップ楽曲を紐解くのって面白い!」と感じたことを覚えています。このように、ドラマ作品に書き下ろされた楽曲は、作品と密接に関わる重要な存在なのです。

「既聴感」のあるドラマタイアップ楽曲

最近では、ドラマ書下ろしではないタイアップ楽曲が増えているように思います。たとえば桑田佳祐さん『Soulコブラツイスト~魂の悶絶』。ユニクロのTVCMとNetflix配信映画『浅草キッド』の主題歌のWタイアップです。『浅草キッド』の番宣を見る頃には、すでにユニクロのCMで聴きなれていた楽曲だったのが印象的でした。

また、ドラマ『おい、ハンサム!』の主題歌となった和田アキ子さん『YONA YONA DANCE』。こちらも、TikTokで話題となった後の起用だったため、既聴感がありました。このように、書下ろしではない楽曲をタイアップに起用することは最近の流れなのかもしれません。

歌詞がないタイアップ楽曲、タイアップ楽曲のないドラマ

先に挙げた例は、歌詞がついている曲ですが、歌詞のない、いわゆるインストゥルメンタル楽曲がタイアップ楽曲となることもあります。ドラマ『となりのチカラ』の主題歌はジャズピアニストの上原ひろみさん演奏による『上を向いて歩こう』でした。ドラマ『半沢直樹』の主題歌は服部隆之さん『半沢直樹〜Main Title〜』となり、こちらもインストゥルメンタルです。さらに、ドラマ『ドラゴン桜』は2005年放送のシーズン1ではmelody.『realize』が主題歌でしたが、2021年放送のシーズン2では主題歌も挿入歌もなかったのが印象的でした。

今後、ドラマタイアップ楽曲はどうなる?

主題歌がないドラマや、書き下ろしでない楽曲がタイアップ曲として採用されることには様々な理由があると思います。楽曲を流すよりも、その時間をストーリー描写に充てたい、ということもあるかもしれません。しかし、書き下ろされたタイアップ楽曲を紐解いて楽しんでいる身からすると、この流れは少し残念に感じます。今後、ドラマタイアップ楽曲はどうなっていくのでしょうか。私としては「ドラマにタイアップ楽曲がないのがスタンダード」となってしまわないように願うばかりです。

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