歌を聞いていて、「空耳」をした経験は誰にでもあるのではないでしょうか。本来、空耳とは、実際には音や声がしていないのに聞こえたように感じることや、聞いても聞こえないふりをすることなどを指しますが、歌を聴いたときの「空耳」は少々使われ方が異なります。歌を聴いたときの「空耳」は、一般的に、歌詞を聞いたときに本来の意味とは違う意味に聞こえることを指します。この「空耳」、実は作詞に役立つかもしれません。
『タモリ倶楽部』のミニコーナー「空耳アワー」
「空耳アワー」をご存じですか?「空耳アワー」はテレビ朝日系列の深夜バラエティー番組『タモリ倶楽部』のミニコーナーのひとつ。まるで日本語のように聞こえる洋楽の歌詞などを視聴者から募集し、再現映像付きで楽しむコーナーで、2022年7月にコーナーとしての放送30周年を迎えました(一時期、休止時期あり)。また、『ボキャブラ天国』でも同様のコーナーがありました。私も幼い頃、この番組を見ていて、『ブルーライト・ヨコハマ』の「街の灯りが とてもきれいね ヨコハマ」を空耳で「マッチの明かりがとても綺麗ね放火魔」と紹介されていたのを覚えています。
ちなみにこの原稿を書いている際に、「休止時期」と打ったところ、最初に「旧指示器」と変換されてしまいました。変換ミスですが、これも歌詞なら空耳する可能性もありますね。
このように、同じ音や似た音で勘違いをするのが空耳です。
ヒット中のウタ「新時代」のサビの歌詞
アニメ『ワンピース』劇場版『ONE PIECE FILM RED』の主題歌、Ado「新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」。サビの歌詞は「新時代は この未来だ」というフレーズで始まります。私はこの歌を聞いたとき、「新時代は~」が「信じたいな~」に聞こえるな、と思いました。これもある種の空耳ですね。すると歌の後半、最後のサビでは「信じたいわ この未来を」という歌詞が登場しました。「ああ、やっぱりこれはうまく練られているな!」と感じ、とてもワクワクしました。このように、空耳できそうなフレーズで遊ぶ歌詞はとても多いものです。
空耳力を鍛えよう
空耳はつまり聞き間違い。似た言葉同士で間違えるので、韻を踏むことにも少し似ています。歌を聞くときに、「こう聞こえそうだ」と、積極的に空耳してみるのも面白いかもしれません。これを応用して、歌詞を書くときに、「このフレーズはこのようにも聞こえそうだ」という箇所をわざと作ってみるのも良いでしょう。「耳から聞こえてくる」という歌詞の性質を生かして遊んでみることも歌詞の上達につながるでしょう。
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